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4. 文書化

4−1.バリデーション
箱型乾燥機がバリデート可能であるためには、対象となる機器が全て信頼性が高く再現性が保証されており、それらの初期の検査結果が全て文書化されていなくてはならない。メーカーサイドで出来るバリデーションはIQとOQということになる。
プロトコル作成、検証、実行という形でバリデーションが行われるが、何をバリデートするのかリストアップする事が非常に重要である。
具体的には下記の項目について、検査実施計画書を作成し、ユーザーの承認を得、検査を行い、記録書を完成させるという手順を踏む。

IQ(据付時適格性確認)をおこなう項目
据付検査 各部の外観及び仕上げ等・主要寸法・水平状態・
ユーティリティー 蒸気・冷水・エアー・市水・電源
キャリブレーション 温度計・湿度計・記録計・濃度計・圧力計・風速計
OQ(稼働性能適格性確認)をおこなう項目
動機器検査 ファン・ヒーター・クーラー・噴霧ノズル・ダンパー・バルブ・フィルター・スイッチ他
アラーム検査 過昇温・サーマル・ガス警報・圧力異常・温度異常・湿度異常
除湿検査 除湿能力・安定性・ドレン状態
加湿検査 加湿能力・安定性
昇温検査 昇温能力・温度分布・安定性

4−2.キャリブレーション

乾燥機に使用している計器類が正しいかどうか、トレーサビリティーのとれた計器と比較し、記録する。センサーと計器が接続された状態で正しい値を示すかどうかを見るループテストは重要である。
メーカーから提出される検査成績書と現場での測定結果が違うこともあり、使用した基準となる計器が正しいかどうかあらためて調べ直すということがあるので、全ての計器類のキャリブレーションは信頼の出来る業者に一括して任してしまう方が望ましい。
また計器類は定期的にキャリブレーションを行うため、センサー類の着脱や移動が簡単でなくてはならない。
キャリブレーターにセットするために移動させる距離に見合う保護管の長さを確保することは、忘れがちなことであるが現場での作業性の観点から必要である。