流動層乾燥機の技術的考察
1.流動層の設計について
1-1.バケットの形状
バケットの形状は逆円錐台形状となっており、上部に行くほど大きくなっている。
バケット底部の面積で粉が持ち上がり、上部の断面積が大きくなることにより風速が下がり、粉が自重で落下する。この状態を繰り返して粉を循環させながら風と接触することで乾燥を促進する。そのため、容易に状態を見ながら風量調節出来ることが必要である。
通常、医薬品の顆粒の乾燥の場合、風速0.5m/s程度で持ち上がるが、最大値を2m/s程度で設計している。
バケット底部の面積で粉が持ち上がり、上部の断面積が大きくなることにより風速が下がり、粉が自重で落下する。この状態を繰り返して粉を循環させながら風と接触することで乾燥を促進する。そのため、容易に状態を見ながら風量調節出来ることが必要である。
通常、医薬品の顆粒の乾燥の場合、風速0.5m/s程度で持ち上がるが、最大値を2m/s程度で設計している。
1-2.バブリング
バブリングはエアの吹き込みと停止を繰り返すことである。ダンパによりパルスエアを作り出し、エアで持ち上げ粉体の自重で落下するということを繰り返す。このことで、吹抜けた穴がふさがり、塊が壊れる効果が期待できる。また、急激にダンパを開放することでエアの慣性力により圧力のピーク値が上がることで粉を持ち上げる力が増える。
1-3.整流板
整流板の効果は、小さな穴を通過させることで、一次側と二次側に圧損を生じさせ、各部の風速を均一にさせることである。穴の開いた部分とそうでない部分で風速の速い部分と遅い部分が生じ、少ない風量で撹拌効果が得られるということである。これは流体の基本的な性質による。
ベルヌーイの定理
理想流体の定常流れにおいて、流線上でエネルギーが保存されることを示した定理である。
この定理は流体の圧力をp[Pa]、密度をρ[kg/m3]、流速をv[m/s]、高さをz[m]、重力加速度をg[m/s2]とすると、以下の式で表される。
理想流体の定常流れにおいて、流線上でエネルギーが保存されることを示した定理である。
この定理は流体の圧力をp[Pa]、密度をρ[kg/m3]、流速をv[m/s]、高さをz[m]、重力加速度をg[m/s2]とすると、以下の式で表される。
上記の式は、流体の静的圧力と速度の二乗に比例する動的圧力と高さを足したものが一定であるということを記述している。高さの項目は小さいので無視できるとすれば、流れの速い場所と流れの遅い場所では静圧が違うが足したものは一定であるということである。整流板の穴の二次側の風速の高い部分で粉体が押されて持ち上がり、その周りはその流れに引っ張られるという現象が起こる。これにより粉体が循環する流れが生じ、高い風速により粉体がばらけるので、安定した流動状態が得られるのである。
1-4.バグフィルタの断面積
通過風速が低ければ低いほど目詰まりしにくいが、設置スペースの関係で限界がある。フィルタの通過風速をその素材の通気度以下に抑えることが望ましい。通気度は0.05m/s~0.2m/sの生地が多い。また、風速が速くなると圧損が大きくなるので、ファンの能力には余裕を持たせることが必要である。
流動層乾燥機の場合、実際には高濃度の粉塵捕集であって、バグフィルタのろ材よりも粉塵の粒径で圧損が決まる。
流動層乾燥機の場合、実際には高濃度の粉塵捕集であって、バグフィルタのろ材よりも粉塵の粒径で圧損が決まる。
1-5.バグフィルタの払い落とし
1-6.撹拌羽根
粉体によっては、空気の流れだけでは初期流動しないで、塊になってしまうものがある。そのため機械的に破砕しなくてはならない。風を流して粉体を持ち上げながらバケツ底部分の撹拌羽根を回転する方法がある。これでうまく流動するものもあるが、中にはもっときつい塊になって流動しないものもある。この場合は流動層以外の乾燥方法を考える必要がある。
1-7.ファンとヒータの設計
①静圧
ファンに必要な静圧は次の要素の圧損を合計したものである。
給気ダクト、給気フィルタ、ヒータボックス、整流板、粉体重量、バグフィルタ
バグフィルタの目詰まり分、排気ダンパ、排気ダクト
②風量
バケツ底部の通過風速から流量を決定する。
ファンの位置が吸引の場合は、乾燥温度での空気の膨張を考慮して風量を決める。
t℃で乾燥する場合、(t℃+273℃)÷273℃で算出された値が膨張するので、それに見合うファンを選定する。例えば80℃の場合、空気の体積は0℃に対して1.3倍膨らむ。
③ヒータ
必用最大風量と必要な温度差からヒータ容量を計算する。
ファンに必要な静圧は次の要素の圧損を合計したものである。
給気ダクト、給気フィルタ、ヒータボックス、整流板、粉体重量、バグフィルタ
バグフィルタの目詰まり分、排気ダンパ、排気ダクト
②風量
バケツ底部の通過風速から流量を決定する。
ファンの位置が吸引の場合は、乾燥温度での空気の膨張を考慮して風量を決める。
t℃で乾燥する場合、(t℃+273℃)÷273℃で算出された値が膨張するので、それに見合うファンを選定する。例えば80℃の場合、空気の体積は0℃に対して1.3倍膨らむ。
③ヒータ
必用最大風量と必要な温度差からヒータ容量を計算する。
2.流動層の粉の状態とその原因と対策
流動層乾燥機の乾燥能力を決定する大きな要素は、その粉体にどれだけ空気が均一に接触するかということである。乾燥させる粉体の性質によって、ずいぶん流動状態が変わり、能力が発揮できない場合がある。下記にそのパターンと対策を記述する。
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症状 | 粉体が持ち上がらない。 | 粉体が固まったまま持ち上がり、流動しない。 | 粉がバグフィルタにすべて付着して流動しない。 |
原因 | 粉体の比重が大きいため、供給エアの静圧が不足していて流動しない。
粒径と比重の大きい金属粉などはこれにあたる。 |
粉同士が付着しやすいため、塊となり、流動できる状態にない。 | 粉体の比重が軽く、粒度が小さいので、持ち上がってバグフィルタに粉が張り付いてしまう。 |
対策 | 供給エアの静圧を上げる。
ファンの能力を見直す。 |
バブリングにより何度も上下させ、表面を乾燥させながら、粉を砕いていく。
撹拌羽根をつける。 |
風速を落として流動状態を作る。
逆洗で払い落とす。 |
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症状 | 一部分のみ風が流れる吹抜け現象が起こり、流動しない。 | 流動筒の壁面にほとんどの粉が付着する。 | 正常な状態
塊がない。 風量のバランスが取れている。 粉が全体に流動している。 整流板が吹抜けを防止出来ている。 バグフィルタの付着が少ない。 壁面の付着が少ない。 |
原因 | 一度でも風が粉に大きな穴をあけてしまうと、そこに風の流れが集中し、ほかの部分の持ち上げる力がなくなるため流動しない。 | 粉の安息角が大きいため、壁面に付着したものが底に落ちてこない | |
対策 | エアの吹き込みと停止を繰り返すバブリングにより、吹き抜け部分をなくす。
流動板を設け一部にだけ風が流れることを防止する。 |
ノッカーを作動させて、周りに付着した粉を落とす。 |