1.高い洗浄性 衛生管理を行う上で、洗浄は非常に重要な要素である。通常の箱型乾燥機の場合、乾燥室だけが見えていて、ヒーターやファンが隠れてしまい、メンテナンスが出来ない場合がある。医薬向けのものは、出来るだけ乾燥機内部が容易に確認でき、洗浄し易いオープンな構造でなくてはならない。洗浄器具が届かないようなデッドスペース部分を出来るだけ作らのないようにすべきである。小型の乾燥機の場合、内部の仕切り板、導風板、棚アングル等がすべて工具なしで分解出来るようにし、それらを取り外してしまうと乾燥室がシンプルな箱になるようにすると、洗浄が非常にやりやすくなる。 乾燥機の内部は水洗いを前提としているので、水槽を製作するのと同じ考え方で製作する。板の継ぎ目は、ごみの溜まるような部分がなくなるように、全線溶接し、バフ仕上げを施す。
2.フルオープン構造 図10,11はフルオープン型の通気式乾燥機である。扉を開けると乾燥室だけではなくチャンバー室まで開くので、洗浄点検が容易である。また台車においても水洗いしやすいように形状をシンプルにし水たまりを作らないようにしている。
2−4 台車
1.通常台車 台車ごと乾燥機内に入れてしまうと、車輪に付着したごみが製品に混入するおそれがある。下の装置は洗浄性のみ考慮された装置である。
2.キャスターもぐりこみ方式 車輪を乾燥機の床下に潜り込むようにして、トレイ部分だけが機内に入るという構造である。
3.台車クランプ方式 保温されたダクト内にトレイが存在し、キャスター部分は風が通る部分と分離されている。本体に台車挿入すると、両側からパッキンのついたダクトで挟み込み、シールされる。
4.内台車、外台車方式 床面を走行する台車の上に、乾燥室内を走行するトレイ用の内台車を乗せ、乾燥機にトレイ台車だけを入れる構造である。乾燥機に外台車ごとつっこみ、ストッパーを解放して内台車をセットする。