通気式乾燥機
底網式のトレイに入れた品物の間を直接熱風が通過して乾燥させる方式です。上記の並行流乾燥機と同等の特徴を備えており、並行流よりも乾燥速度が速いというメリットがあります。しかし、乾燥機の大きさや消費エネルギーが同じ処理量の並行流で比較すると相当大きくなります。
6-2 コンベア式乾燥機（バンド乾燥機）
通気式
底網式のコンベアの上の品物の間を風が通過して乾燥させる方式です。バンド式ではもっとも一般的な方式です。
コンベアが2段以上設けられている乾燥機です。
乾燥機内で品物が別のコンベアに乗り移るので、多少の撹搬効果があり、水分のばらつきが押えられるメリットがありますが、構造が複雑で保守が難しい欠点があります。
輻射式
コンベアの上に赤外線ヒーターなどの輻射熱を発する熱源を配置し直接品物に輻射熱をあてて加熱する乾燥機です。
6-3 流動層乾燥機
バッチ式
底網式の容器内を風が下から上に吹き上げることにより、品物が流動しながら風と接触して乾燥します。
バケット内の品物を一度に入れ替える形式のものです。弊社の標準品はこの形式で300Lまでの製作実績があります。
連続式
乾燥室内の品物をスクリューコンベア等で送り込み、乾燥した粉を連続的に排出します。
バッグフィルター式
吹上たれた粉を回収するために、布のフィルターで捕集します。そのままにしておくとフィルターが詰まってしまうので、粉落としをする必要があります。
サイクロン補集式
回収をフィルターではなくサイクロンで行いますが、遠心力で分離出来るような比重の高い粉に用いられます。
6-4 真空乾燥機
真空に耐え得る容器内に品物を入れて密封し、真空ポンプで中の空気を吸い出します。水分蒸発で品温が下がるので、ヒーターで室内を加熱するタイプのものもあります。
6-5 撹拌式乾燥機
撹搬しながら熱風を吹き込んで乾燥させる形式です。真空式のタイプもあります。
ロータリーミキサー
容器を回転させて撹搬します。
リボンミキサー
容器内で水平軸の撹搬羽根が回転する形式です。
流動層併用型
流動層で吹き抜けを起こしやすい品物を強制的に撹搬して流動を安定させます。
6-6 気流式乾燥機
粉体を風で配管内部を移送させる間に乾燥させてしまう方式です。
6-7 噴霧式乾燥機
液体を乾燥室内で直接噴霧して瞬間に粉にしてしまう方式です。
6-8 布団乾燥機
布団の中に孔のあいた袋の様なものをいれて、袋を脹らまし、孔から吹き出した風が布団の中を通ります。よく乾くことは乾くのですが、日光で干す場合、太陽の紫外線が布団に照射されて、殺菌効果が期待できます。また布団を叩くことでダニを追い出す効果もあり衛生的ですが、これはそういったことは無視されて設計されています。
6-9 食器乾燥機
家庭用食器乾燥機も多く出回るようになりましたが、ほとんどの製品が風の流れる部分が掃除出来る構造になっていないのであまり衛生的とはいえません。筆者が修理を依頼された乾燥機などは中でゴキブリが死んでいました。あれと同じ目的であれば段ボール箱に穴をあけてヘヤドライヤーを突っ込んだものを水切りにかぶせたもののほうが、風量とヒーター容量が大きいため早く乾く上、場所も取りません
6-10 洗濯物乾燥機
家庭用の洗濯物乾燥機はロータリーミキサー車とよく似た構造です。洗濯ものを放りこんで蓋をすれば、中で容器が回転して熱風が吹き出します。ただし、家庭用なので乾燥機の目的に対してヒーター容量が小さいので、乾燥時間が長くかかります。そのわりに、電気代は馬鹿になりません。晴れていて風のある日は外で干すほうが早く乾きます。日本の経済力と住宅事情が生み出したニーズに答えた商品なのでしょうが、どうも家電メーカーは消費者をだまして利益を上げているのではないかと疑いたくなります。
