長門電機工作所の技術情報

乾燥機技術文書

11.バリデーション

11-1 バリデーション用語解説(CSVを含む)      GMP省令より引用

GMP Good Manufacturing Practice

製品が常に初期の用途に合致した品質基準および承認許可書の要件に合うように製造され、管理されていることを保証する品質活動の一部です。

VMP Validation Master Plan バリデーション計画書

対象とするエリア、設備、工程・手順に対し、検証の方法、判定基準、責任の所在等の基本コンセプトを決定し、文書化したものです。メーカ責任範囲のみ作成します。

URS User Requirements Specification ユーザ要求仕様書

システムのビジネスケースに記載されていて、ビジネスの利益がある場合において、システムの要件と整合性がとれなければならないビジネスレベルでの要求事項を定義した成果物です。
ユーザが提示する用件です。

FS Function Specification 機能仕様書

ユーザ要求仕様書に記載した要求事項を コンピュータシステム設計に対する要求事項として十分なレベルまで定義するもので、 ユーザとデベロッパとの機能要件に関する合意書です。
メーカにて作成します。

DS Design Specification 設計仕様書

設計されるハードウエアとソフトウエアのユニット、それらと他との関係を記載します。
例、インターフェース仕様書、システム環境仕様書、システム設計仕様書
パッケージのカスタマイズ仕様書  
メーカにて作成します。

DQ Design Qualification 設計の適格性

設備の設計段階における材質、形状、寸法、容量、能力等が設備の使用条件に照らして妥当なものか、あるいは取り扱われる製品からの要求事項や技術レベルを反映した設計になっているかを検証します。ユーザにて検証します。

FAT Factory Acceptance Test 工場受入検査

設備・機器供給業者の工場において、その設備・機器が受入基準を満たしているかどうかを決定できるようにするため実施される試験です。通常、その設備・機器の仕様の内、主要な数項目について顧客立会の基、検証を実施します。

IQ Installation Qualification 据付状態の適格性

製造設備、計測器、製造環境制御設備等の設備が適切に選定され、正しく据えつけられ、設計された仕様に適合して稼働することを設備の据付時及び保守点検時に確認することをいう。
メーカにて作成、実施します。

CA Calibration 校正

必要とされる精度を考慮し、適切な標準器や標準試料等を用いて製造行為中に使用される計測器の表す値と真の値との関係を求めることをいいます。メーカにて作成、実施します。

OQ Operation Qualification 運転状態の適格性

設備が設計仕様の範囲内の条件で適切に運転できることを検証します。メーカにて作成、実施します。

PQ Performance Qualification 稼働性能の適格性

チャレンジテスト等の手法により、製造手順等が、予想される操作条件の範囲全体にわたり、意図したとおり稼働すること(期待される結果を達成していること。)を確認することをいいます。ユーザ範囲ですが、メーカが立会実施する場合もあります。

PV Process Validation 実生産規模での確認

稼働性能適格性の確認の最終段階で、当該製造所の構造設備を用いて、個々の設備、工程、中間製品及び製品の品質等が期待される結果を達成していることを原則3ロット実生産規模でバルク製品を製造することによって確認すること。 ユーザ範囲となります。

CSV Computerized System Validation コンピュータシステムバリデーション

製造工程の制御及び管理、生産管理、品質管理等のためのシステム(コンピュータ及びこれにより制御されている機器及び設備)を開発し、利用する場合に、当該システム稼働に際して、機能、性能・信頼性・操作性およびセキュリティに問題のないことをバリデーションの手順に従って確認することです。ユーザの要求に応じてメーカが書類作成を行います。

Part11 21CFRPart11 米国連邦規制第21条第11章

電子記録、電子署名に関する規制で1997年にアメリカ食品医薬品局(FDA)が制定しました。医薬品や食品の販売許可申請の際に使用する電子データと電子署名について、遵守するべき要件を定めたものです。「容易に改ざんされない」「変更した際に履歴が残る」などが要件として挙げられており、これらを満たすことで電子データや電子署名が従来の紙の記録や手書きの署名と法的に同等の効力を持つことを保証しています。

11-2.カテゴリについて

カテゴリ 0

機能の固定された汎用品
商業ベースで販売されている汎用機器
電話機、電卓、時計、ストップウォッチ、タイマ等の機器
社会一般で極めて汎用されているパッケージソフトウエア及びPC
MS-Word、MS-Excel、Adobe-Acrobatなどのオフィスソフト

カテゴリ1

基盤ソフト 階層型ソフトウエア
(カテゴリ3以降のアプリケーションが構築される基盤となるもの)
運用環境を管理するソフトウエア
OS、データベースエンジン、ミドルウェア、プログラム言語、統計管理パッケージ
ネットワーク監視ツール、スケジュール管理ツール

カテゴリ3

構成していないソフトウエア
商業ベースで販売されている既製のソフトウエアで、ソフト自体は業務工程に合わせて構成していないもの。(実行時のパラメータ入力、パラメータ記録は本カテゴリに含まれる
市販のパッケージソフトウエア
市販の製造設備、分析機器、製造支援設備、及びそれらに搭載された既製のシステム
ラダーロジック(PLC)、ファームウェア等

カテゴリ4

構成したソフトウエア
ユーザの業務プロセスに合わせて構成したソフトウエア。
LIMS、SCADA、MRPII、MES、温調器、データ収集システムERP、DCS
但し、ソフトウエアコードを変更した場合はカテゴリ5とする
EDMS(文書管理システム)、倉庫管理システム
表計算ソフト上の演算テンプレート等

カテゴリ5

カスタムソフトウエア
業務プロセスに合わせて設計され、プログラムされたソフトウエア
ITアプリケーション、プロセスアプリケーション、カスタムラダーロジック(PLC)
カスタムファームウェア、表計算等のマクロプログラム
ユーザの要求に合わせて作られたラダーシーケンスはこれにあたりますのでCSVに従った設計と書類を作成することになります。

11-3.バリデーションを前提とした製造プロセス(例)

11-4.キャリブレーション

11-4-1.キャリブレーションの意味

必要とされる精度を考慮し、適切な標準器や標準試料等を用いて製造行為中に使用される計測器の表す値と真の値との関係を求めることをいいます。
装置に使用している計器類が正しいかどうか、装置設置後にセンサと計器、表示器が接続された状態で、トレーサビリティのとれた検査計器と比較し、記録します。

11-4-2.ループテスト

制御がコンピュータ化され、センサ、変換機、アナログ入力ユニット、シーケンサ、表示器(GOT)、記録計、データロガ等、システムが多くの要素により構成されているため、パラメータの設定やソフトウエアも含めて正しいかどうか検証するためにはループテストが必要です。

11-4-3.対象計測機器

温度計、湿度計、差圧計、圧力伝送器、圧力計、ガス検知器、タイマ、記録計

11-4-4.検査機器

検査機器はトレーサビリティ体系図が存在し、校正証明書に定められた有効期限内の物を使用します。

11-4-5.ドキュメント

検査概要        :検査目的、摘要範囲、実施体制、不具合処理
実施手順書       :校正した手順、検査回路構成
検査記録書       :日時、場所、校正の結果(校正データ・許容値との適否)
校正証明書       :対象機器の識別(機器名・管理番号・メーカ・型式etc.)
トレーサビリティ体系図 :校正に使用した標準器のトレース

11-4-6.校正のための工夫

ユーザにて定期的にキャリブレーションを行うため、センサ類の着脱や移動が簡単でなくてはなりません。温度計の場合、キャリブレータにセットするために移動させる距離に見合うケーブル長さを確保することは、忘れがちなことでありますが、現場での作業性の観点から必要です。

11-5.CSVとDQ,IQ,OQの比較

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