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箱型通気棚式乾燥機の加湿乾燥について

1.箱型通気棚式乾燥機による加湿操作

箱型通気棚式乾燥機は加湿された空気を、静置された錠剤に対して、約0.4m/秒の速度で通過させています。
この状態で加熱、冷却、加湿、再乾燥が行われ、確実な結晶変化が促されます。
箱型通気棚式乾燥機は錠剤を動かさないので、強度のない状態で壊れません。

箱型通気棚流のイメージ図

2.加湿乾燥技術

①加湿乾燥の技術的課題

箱型通気棚式乾燥機で錠剤や顆粒を湿らせる操作を行う場合、いくつかの技術的課題を解決する必要があります。通常の恒温恒湿槽と違う点は、あくまでも生産機であり、被乾燥物をその環境にすれば良いというものではなく、非乾燥物に設定された空気をばらつきなく吹き付けるイメージとなります。
蒸気を熱交換して加熱するシステムでは、乾燥のための高温の制御と加湿のための低温の制御の両方を安定させることは、難しいことです。安定させるには下記のことを解決する必要があります。

・ 乾燥温度(60℃~100℃)で大排気量に対応させるために設計されたヒータは、イナーシャが大きく低温ではオーバーシュートしすぎるので、制御がふらついてしまう。
・ 加湿用蒸気を吹き込むことで温度が上昇する。
・ ファンが回転するだけで室内温度が上昇する。
・ 前工程で乾燥機の内面の温度が上がっているので、温度が下がらない。
・ 温度の制御のふらつきが湿度に大きく影響する。
・ 通常の湿度計が溶剤を含んだ環境では使えない。
・ 0種危険場所であるため、通常の電気品が使えない。
・ 給気量と加湿量と温度が影響しあう。
・ 条件によっては乾燥機内が水浸しになる。
・ 加湿モードになった後、設定湿度に達しない場合がある。

②弊社箱型乾燥機加湿乾燥制御の説明

・温度計、湿度計、ガス濃度計、差圧計などのアナログ情報をすべて一台のPLC(プログラムコントローラ)に取り込み、それらのパラメータをタッチパネルから設定出来る為、温度、湿度、風量が自由に設定可能です。
・湿度を制御することは、安定した温度制御に依存します。また、溶剤の存在する環境では、薄膜の静電容量式湿度センサは使えないので、環境に影響されない方式の防爆湿度センサを使用しています。
・通常の温度調節器との組み合わせでは、操作が非常に複雑になる広範囲の乾燥温度に対し、PLCで一元管理をすることにより、区分された温度領域におけるパラメータを自動的に切替えたり、冷却行程でのPID制御の停止、フレッシュエアの冷却など様々な操作がシンプルに行なえます。
・ 湿度の制御範囲を越えてしまうことを抑制する為、吸気風量が多すぎて設定湿度に達しない場合はアラームを出し、逆に加湿量が多すぎ露滴して乾燥機内に水が溜まると、その水をポンプで吸い上げて排出します。
・ 吸気ダクト及び循環ファン入り口に取り付けたそれぞれのピトー管により、吸気風量と循環風量がタッチパネルで直読出来るので、錠剤に与えている空気の状態がリアルタイムで分かります。
・ 箱型通気棚式乾燥機内の情報がタッチパネルに全て表示され、温度、湿度、風速は記録計で記録されます。

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