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箱型乾燥機における医薬品の処理

10.乾燥機の材質
水分のあるものを扱いますので、露点温度の関係で室内に水滴が溜ります。このことから、防錆に考慮する必要があります。弊社の乾燥機は特に指定がないかぎり、内部を18ー8ステンレス(SUS304)にしています。また、乾燥物が腐食性の物質であったりすると、一般的には使用されないような高級な材料を使用することもあります。たとえば耐酸性を考慮した場合はSUS316、耐熱性を考慮してSUS310などを選定します。
扉は熱風が漏れないようにパッキンが入っています。耐熱性、シール性が要求され、径年変化をおこしにくいものを使用する必要があります。冷蔵庫に使用されるような合成ゴムではすぐに割れを生じたり、硬くなったりします。ですから弊社では耐熱性、耐薬品性に優れたシリコンスポンジを使用しております。

11.乾燥機の制御

11-1 標準的制御
乾燥機の制御対象はファンとヒーターです。弊社の乾燥機の場合、起動釦を押すだけで自動的に時間がたつと停止します。ちょうど電子レンジのチンと同じです。また、ファンが回っているときだけヒーターが入るようにしています。
それから、乾燥温度を一定にするために、電子式デジタル温度調節器を使用しています。最近ではICの発達によりデジタルPID制御の温調器が実売価格で1万円から2万円程度で入手出来るようになりました。それが一般的でなかったころは、シビアな電熱の制御をするのにサイリスタを使用しておりましたが、現在では時間比例式の制御でマグネットスイッチのON OFFだけで出来るようになりました。スチームであっても、同じ様に電磁弁のON OFFをすることで精度良く温度が制御出来るようになりました。客先の指定により、サイリスタやSSC(ソリッドステートコンタクタ)、モーターバルブ、ポジショナー付のダイヤフラムバルブなどを使用することもありますがコスト面から考えると前述の方法がベターではないかと考えています。
操作スイッチは出来るだけ少なくして、操作がシンプルになるように照光式を使用しています。また、温度調節器、タイマーなどの計器はデジタル式を使用して、正確な制御が出来るようにしています。

11-2 制御盤の操作スイッチ

A :電流計
TC:温度調節器
PL:電源が入ると点灯します。
L1:タイマーをセットすると点灯します。
L2:ファンの運転表示です。
L3:ヒーターが入ると点灯します。
PB1:ファンが起動します
PB2:ファンが停止します。
S1 :タイマーをセットするスイッチです。 これを入りにするとタイマーでセットされた時間が経過した後に運転が終了します。入りのままにしておくと再起動出来ませんので一度切りにしてからセットし直してください。
S2 :ヒーターの入切スイッチです。但しこのスイッチが入っていてもファンが停止している場合、ヒーターは入りません。

11-3 制御における最近の動向
最近ではプログラム調節器の価格が安くなったため乾燥温度を時間的に変化させたり、外部からの信号でプログラムの進行を待たせたり、プログラムの進行に合わせて外部に信号出したりということが出来るようになりました。これを利用して乾燥工程と焼成工程を切り替えたり、ダンパーのコントロールのための信号を出したり、品物の温度が設定値に達するまでその状態を保持したりというようなことが特別な回路を組まなくても可能になりました。
また、工場のFA化ということで乾燥機の状態を集中制御室でモニターすることも増えています。実際の温度を電流信号やRS232Cの信号の形でリアルタイムに送ることも信号変換器が安価になったおかげで可能になり、湿度の制御も可能です。
湿度センサーと加湿器、電圧入力仕様の温度調節器を組み合わせて高精度に行えます。最近では耐熱120℃の湿度センサーも入手可能で、乾燥室内の過酷な条件でも制御出来るようになりました。加湿器も蒸気発生式、二流体ノズル、超音波発信式などがあり、その条件に合わせて選定が出来ます。
品質管理のために記録計を取り付ける場合も増えています。乾燥室内の各部に温度センサーを取り付けて温度のばらつきを測定したり、排気温度で乾燥具合を知るということもあります。また、ハイブリッド型の記録計を使用すれば温度センサー入力と同時に電圧や電流も任意のスパンで記録出来るため、設定温度、湿度信号、ダンパー開度、出力電流、オンオフ信号など電気に置き換えられる情報であれば何でも記録することが出来ます。

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