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3.箱型乾燥機の制御
3−1 温度制御
医薬向け箱型乾燥機の場合、熱源としてスチームを使用する事が多いので、ハンチングの少ない制御になるよう配慮が必要である。ワンパス加熱運転、低温乾燥、高温滅菌を同一の乾燥機で対応させるとと最大負荷と最小負荷の差が大きい。その場合、ヒーターの能力を変えられるようにしたり、設定値をメモリーしてPIDを変更したり、制御出力の上限値を変化させるということを行う。
また、プログラム調節計を使用し、設定温度を時間的に変化させ、プログラムの進行に合わせてダンパーをコントロールすることもある。
3−2 湿度制御
乾燥機内の湿度を検出するのに、耐熱の湿度センサーを使用する。溶剤の中では素子が壊れる場合があるので、配慮が必要である。加湿では、電磁弁または調節弁でピュアスチームを吹き込むか、純水をスプレイする量をコントロールし、除湿では、冷却水の制御または除湿機の運転制御を行う。
3−3 風速制御
乾燥機内、排気風量等、複合ピトー管(図16)を取り付け、その差圧により風速を検出し、開閉演算器を使用して風速を表示させる。インバーターでモーターの回転数を変えて風量を制御する。
図16 |
3−4 ダンパー制御
有機溶媒を含んだ粉体の乾燥や、かたまりやすい粉体の乾燥では、乾燥初期において、冷風でワンパス運転を行い、目的の時間が経過した後、循環運転に切り替える。また、接触燃焼式のガス濃度計を取り付け、ガス濃度が爆発下限回の25%を越えると、ヒーターを停止させ、ガス濃度を下げる。循環ダンパーを閉め切って排気ダンパーを全開にし、排気量を最大にして、空気を置換する。冷却運転の場合も、ワンパス運転にする。
ダンパーの切替は、エアーシリンダーを用い、電気的信号で開閉を行う。
3−5 乾燥運転制御
従来、乾燥機を起動すると、一定温度で乾燥させて、セットした時間で停止させるという運転方法が多かったが、最近の傾向として、乾燥運転パターンを、送風運転、乾燥運転、冷却運転が出来るようにすることが多くなってきた。また、タイマーを使用して乾燥終了とする事が多かったが、排気温度の上昇で終了させるようになってきている。