13.弊社のものづくりについて 機械全般にいえることかも知れませんが、乾燥機そのものの技術は、自動車と同じで基本的な部分は昔からほとんど変わりませんが、制御機器の発達で相当進歩したようなイメージを語ることが出来るようになりました。ただし、機械部分の信頼性がなければただのオモチャに過ぎないのですが、光もののアクセサリーを付けて偉くなったように思えてくるような装置にすると付加価値が上がったとみなされる傾向にあるようです。「やだあ!かわいい!」と思うような制御が出来れば最高です。もう本当にファンモーターの後ろあたりにエアスポイラーでも付け、TURBOと書いた銘板でもはってドレスアップしてやろうかとおもったりすることがあります。ということで、無骨な技術の世界もなかなかナウい感覚にならなくてはいけないのではないかと思ってしまいす。「これで乾燥機の世界も女性がどんどん進出してくれて、少しくらい華やかになってくれないかなあ」などと、ついつい考えてしまいます。でも、やっぱり乾燥機にとって大事なのは、乾燥機の選定理由のところで述べたような基本的なスペックがしっかりしていることと、長い経験とマイナーチェジの繰り返しによってしか得られないような、使い勝手や理屈通りのシンプルさなど、いろいろなノウハウが組み入れられていることではないかと考えています。
機械はある目的をもって作られるものであり、その目的をはたして初めて機械であると考えています。その目的を果たし得ない、またその目的を果たせたとしても付随する条件が多過ぎたり、余分な労力やコスト、エネルギーを投入しなければならないものは作ってはいけないと思っています。ですから同じ目的であれば、出来るだけ使い勝手の良いように、そして人に優しい装置であるようにと考えています。時々、弊社の図面に女性の絵が入ることがありますが、これは人が使用するのにおかしな寸法になっていないかをビジュアルに確認するためのものです。コスト面からは、形状をシンプルにして出来るだけ手間をかけずに製作出来るように、ごてごてした装置にならないように考えています。また、エネルギー面では充分な保温を施したり、機械効率、熱効率、運転効率が落ちないような設計を心掛けています。他社の乾燥機でファンやヒーター、乾燥室など構成要素をばらばらにしてダクトでフローチャートの通りつないだ様な装置を見かけることがありますが、使い勝手やメンテナンス、熱効率、コストなどを考慮に入れて総合的に設計されていないので、購入されたお客様の苦労を考えると涙を禁じ得ません。しかしながら、弊社の技術力も大会社のように研究部門があって、その結果に基づいて多数の優秀な技術者が設計しているというわけでもありませんので能力の限界というものがありますがが、それに近づけるよう努力は続けていきたいと考えております。
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