長門電機工作所の技術情報

乾燥機技術文書

3.いろいろな乾燥機

3-1.箱型棚式乾燥機

3-1-1.並行(平行)流箱型乾燥機

棚に置かれたトレイの上を風が通過して品物を乾燥させる方式で弊社の主力商品です。
この装置のメリットは、装置の大きさに対して一度に処理できる量が多いことです。
通常、並行流の場合、乾燥時間は5時間以上となるものが多いため、
1日1バッチまたは2バッチの生産となり、夜間運転させることも多いです。
並行流乾燥機の場合、粉体上に流れる熱風の速度は、粉体が飛散する限界までとなり、
通常2m/s程度が限界のようです。
また,トレイに積む品物の厚みは30mm程度で、厚くなると乾燥時間が長くなり、乾燥むらが生じやすくなる。
このタイプの乾燥機は、トレイを取り出すと棚だけになるので、内部の洗浄がし易いというメリットがあります。
台車にトレイを入れて作業性を高めた台車形式のものもあります。

3-1-2.通気式箱型乾燥機

底網式のトレイに入れた粉体の間を直接熱風が通過して乾燥させる方式です。
並行流よりも乾燥速度が速いというメリットがあります。
しかし、投入出来る粉体の密度が下がるため、並行流よりも乾燥機が大きくなります。
通気式乾燥機の場合、粉体内を通過する熱風の速度は、粉体のもつ通気性で異なります。
通常、医薬品の粉体の場合、0.4m/s程度で、それ以上の風速は、粉体が風により押さえつけられ、風が通りにくくなり、圧損が上がるだけのようです。
また、トレイに積む品物の厚みは40mm程度で、厚くなると圧損が上がり通過風速が下がるため、乾燥時間が長くなり、乾燥むらが生じやすくなります。

3-2 コンベア式乾燥機(バンド乾燥機)

3-2-1.通気式

底網式のコンベアの上の品物の間を風が通過して乾燥させる方式です。バンド式ではもっとも一般的な方式です。下図はコンベアが1段の乾燥機で、風が上から下に流れます。
連続的に乾燥できるのが利点ですが、乾燥物のコンベア上の厚みが重要で、均一でないと乾燥ムラを生じます。
また、コンベアとガイドの隙間から粉が漏れたり、チェーンに付着したりする問題があり、医薬品には不向きです。

3-2-2.輻射式

コンベアの上に赤外線ヒータなどの輻射熱を発する熱源を配置し直接品物に輻射熱をあてて加熱する乾燥機です。主に固形物に使用されます。

3-3.流動層乾燥機

3-3-1.バッチ式

底網式の容器内を風が下から上に吹き上げることにより、品物が流動しながら風と接触して乾燥します。 バケットを取り出して乾燥物を入れ替えます。弊社の標準品はこの形式で300Lまでの製作実績があります。
右図の物は、バケットに撹拌羽根を組み込んだもので、吹抜け現象で流動状態にならない場合に、ブロックした粉を崩して流動化させます

3-3-2.連続式

乾燥室内の品物をスクリューコンベア等で送り込み、流動させながら乾燥した粉を連続的に移動させ排出します。
吹上げられた粉を回収するために、布のフィルタで捕集するタイプのものとサイクロンで補集するものがあります。
粉を移動させるのに振動を利用したものもあります。

3-4.真空乾燥機

真空に耐え得る容器内に品物を入れて密封し、真空ポンプで中の空気を吸い出します。水分蒸発で品温が下がり凍ってしまうのを防ぐために、品物を加熱します。
真空状態では気体による熱伝達ができないので、輻射伝熱、伝導伝熱、マイクロ波を利用した加熱となります。

3-5.撹拌式乾燥機

撹拌しながら熱風を吹き込んで乾燥させる形式です。真空式のタイプもあります。
  • 熱風受熱式溝形撹拌

  • コニカルドライヤ

  • 伝熱管円筒回転式

3-6.気流式乾燥機

3-7.噴霧式乾燥機

液体を乾燥室内で直接噴霧して瞬間に粉にしてしまう方式です。

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