9.乾燥機設計上の留意点
9-1.高温対策
医薬向けの乾燥機の場合、機内の温度は100℃を超えることは少ないですが、やけどをする温度には達するので、きちんとした保温が必要になります。本体の保温の厚みは標準仕様で50mmにしています。
ヒータ加熱防止装置を設け、制御装置が破損しても、加熱しないように、ヒータの温度を制御と別系統のセンサで検出して、ヒータを切ります。
ヒータ加熱防止装置を設け、制御装置が破損しても、加熱しないように、ヒータの温度を制御と別系統のセンサで検出して、ヒータを切ります。
9-2.回転部分
フルオープンタイプの場合、洗浄性を考慮して、回転体がむき出しになっているため、扉を開けたときに、それが動作しないようにインターロックのスイッチを設けます。また、ファンユニット開閉式の装置も同様にスイッチを設けます。
9-3.循環運転
循環ダンパを全て閉め、排気ダンパを全て開けるとワンパス運転となります。流動層のように乾燥速度が高いものは、ワンパス運転が有効です。しかし箱型乾燥機の場合、乾燥速度が遅く、空気が粉体を通過することによる水分移動と温度低下は流動層に比べ緩慢であるため、ワンパス運転では高温で水分量が低い乾燥した空気を大量に捨ててしまうので不経済です。したがって、循環運転することで、排気量を減らし、熱効率を上げています。
9-4.充分な保温
省エネの観点から乾燥機本体や高温部の保温を行い、装置の表面を常温に保ち、熱ロスを押さえ込んでいます。
9-5.全溶接構造
乾燥機本体は出来るだけ全溶接を行い、水洗いしても大丈夫なように水槽のような構造にしています。また、材質は全てステンレスにすることにより、錆の発生を抑え、乾燥物に影響を与えません。
9-6.外気の季節変動対策
医薬品の乾燥の多くは、絶対湿度を10g/kgDA程度で、露点温度14℃程度の条件の空調された部屋の空気を基準にしています。年間通して一定の状態で乾燥させるためには、調湿操作が必要になります。
梅雨時や雨が降って外気の湿度が高い場合、除湿しなくてはなりません。
給気を熱交換器で冷却し露滴させて除湿するか、吸着式除湿器を使用します。
逆に、外気温度が低い場合、湿度が低下します。その空気を取り込み加熱すると、平衡水分値が下がり、過乾燥となります。対策としてピュアスチームを吹き込むか、純水をスプレイし加湿します。
乾燥機の場合、空気を加熱し温度調節するので、取り込まれる空気の温度はさほど重要ではなく、絶対湿度が重要となります。
梅雨時や雨が降って外気の湿度が高い場合、除湿しなくてはなりません。
給気を熱交換器で冷却し露滴させて除湿するか、吸着式除湿器を使用します。
逆に、外気温度が低い場合、湿度が低下します。その空気を取り込み加熱すると、平衡水分値が下がり、過乾燥となります。対策としてピュアスチームを吹き込むか、純水をスプレイし加湿します。
乾燥機の場合、空気を加熱し温度調節するので、取り込まれる空気の温度はさほど重要ではなく、絶対湿度が重要となります。
9-7.目詰まりによる風量低下対策
ヘパフィルターの目詰まりによる風量低下を防止するために、その圧損をマノメータで表示し、交換時期を判断出来るようにします。また風量がモニタされていることと風量を調節することで、乾燥条件の変動を防ぐことが出来ます。
9-8.正確な計器
各計器のキャリブレーションが容易なように配慮した設計にしています。温度センサなどが取り外し易いようにヘルールクランプなどで固定したり、床に置かれたキャリブレータや恒温槽、測定器類までセンサが届くように配線を長くしたりしています。
9-9.制御安定性
医薬向け箱型乾燥機の場合、熱源を蒸気とする事が多く、夏場、吸気温度が高いと乾燥温度がハンチングをおこし、制御したい温度よりも高くなることがあります。乾燥温度を一定にするために、熱交換機の大きさを最適に設計する事はもちろんですが、80℃のワンパス運転でも、40℃程度の低温における循環運転でも安定した制御が出来なければなりません。そのため、操作量の上限値を調整することがあります。
9-10.トレイの乾燥ムラ
また、各トレイの温度ムラも重要な問題です。箱型乾燥機の場合、空気が熱交換機を通過した時点では、流れの位置による温度のばらつきが大きいので、熱交換機の二次側にファンを配置し、吸い込んだ空気を攪拌して、温度むらをなくす構造になっています。
また、トレイ上の風速のばらつきを出来るだけ少なくなるような配慮をした装置も製作可能です。
また、トレイ上の風速のばらつきを出来るだけ少なくなるような配慮をした装置も製作可能です。