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2−2 塵埃対策

医薬を扱う装置として必要な絶対条件として、製品を汚染しないということがあげられる。その対策として、乾燥機外部からの塵埃の混入防止、装置から発生する塵埃の混入防止、高い洗浄性が求められる。

1.空気からの塵埃
乾燥機外部からの塵埃の混入防止対策として、乾燥機吸入部にフィルターを配置する。循環式の乾燥機の場合、吸気部分だけにフィルターを設ける場合と、乾燥室直前直後に循環フィルターを設ける場合がある。コンタミ防止の上でより信頼性の高いのは後者であるが、大きなフィルターが必要な上、飛散した粉も捕集しなくてはならないので、交換頻度も高いため、ランニングコストが高い。(図7)
循環式の乾燥機は、乾燥機内にファンがあり、その中心部は陰圧になるので、軸部分をシールし乾燥機外部からの空気の侵入を防ぐ。(図7,8)
乾燥機停止時は風の流れがなくなるため、屋外の排気口の風の影響で排気ダクトから逆流して、乾燥後の粉体を汚染させたり吸湿させることがある。それを防止するため、密閉式ダンパーを設け、エアシリンダー等で開閉し、外気と遮断する。(図7,8、9)

2.台車からの塵埃
通常の台車式乾燥機のように、台車ごと乾燥機内に入れてしまうと、車輪に付着したごみが製品に混入するおそれがある。それを防止するにはいくつかの方法がある。
台車クランプ方式は乾燥台車をダクト状に設計しそれを挟み込むようにして台車をクランプし、乾燥室内に台車の車輪を入れない構造である。(図7)
並行流乾燥機の場合、車輪を乾燥機の床下に潜り込むようにして、トレイ部分だけが機内に入るという構造である。(図8)
また、内台車、外台車方式は床面を走行する台車の上に、乾燥室内を走行するトレイ台車を乗せ、乾燥機に、トレイ台車だけを入れる構造である。(図9)

3.装置から発生する塵埃の混入対策
装置から発生する塵埃のとして、Vベルト、摩耗粉、腐食物質がある。
乾燥機をクリーンエリアに設置する場合は粉塵の発生源となるため動力部分にVベルトを使用しない。摩耗粉の発生を防止するため可動部には部品同志のこすれがないようにする。また、材質は通常、SUS304を使用する。腐蝕性のある品物を扱う場合など、SUS316を使用する場合もある。特に酸を含む場合、トレイにテフロンコーティングやホーローを施す場合がある。
乾燥機の内部の壁面の溶接を全溶接にして、保温部との間を完全にシールし、保温材の混入をなくす。

4.トレイ
粉体が直接触れる部分がトレイである。
並行流の底皿式であっても、比重が軽く飛散し易い粉の場合、飛散防止布をかぶせて乾燥機にかける場合も有る。
飛散防止布は、通常通気性の良いテトロンの布を使用している。


図14 パンチングトレイ 図15 トレイ角部詳細 図16 テフロンコーティング
通気式乾燥機の場合、また、金網は使用せず、パンチングで底を打ち抜いたものを使用し、飛散防止布をかぶせる方法を採用している。 角の部分は粉溜りが出来ないようにR加工し、バフ加工を施す。 耐酸性、耐薬品性、付着性を考慮する場合