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粉体の通気乾燥について 1

乾燥の目的
粉を造粒加工する場合、水や有機溶媒を混ぜるが、製品の状態ではそれらを除去しなくてはならない。乾燥操作は水や有機溶媒の除去を目的とする。
但し、その粉体の使用目的によって、水分を0にする場合と、若干の水分を保たせる場合がある。主薬の分解や経年変化、微生物の繁殖を防止し安定性を向上させる目的では水分を0にする。打錠工程では水分を0にすると割れが生じやすくなるので、この場合は水分を保たせることが必要である。

通気乾燥操作
水や有機溶媒を含んだ粉体をトレイ上の布の上に広げる。このとき出来るだけ厚みを均一にして広げることが必要で、また、各トレイに入れる量も均一になっていることも必要である。もし、ある部分だけ厚みが薄い場合、風はそこを選択的に通り抜けて、他の部分に風が流れないということになり、流れなかった部分が乾燥されないということになる。
また、乾燥速度を上げるために、通過風速を上げても、粉がしまって、ますます風が通らなくなってしまう。その状態で乾燥が進むと、ある部分ではせんべい状態になり、ある部分では割れが生じる。割れた部分から選択的に風が流れ、塊になった部分の中心に未乾燥部分が生じることになる。
上記のことから、乾燥操作のポイントとして、粉体の厚みを均一に広げる、各トレイに入れる粉体の量も均一にする、通過風速を上げすぎないということになる。


図3 粉体の厚みと風の流れ