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粉体の通気乾燥について 2
乾燥空気について
箱型乾燥機の場合、乾燥温度については関心が払われてきたが、乾燥機内部の湿度についてはあまり考慮の対象とはならなかったようである。医薬品の乾燥の場合、乾燥温度が50℃〜70℃で、あまり高くない。このくらいの温度で乾燥させる場合、季節による空気の状態の変化の影響を非常に受けやすい。冬場と夏場では、絶対湿度が全く違うので、いくら温度を一定にしたところで、平衡水分が全く違ったものとなる。夏場になると乾燥温度を上げて生産している場合もある。空調された製剤室の空気を取り入れることが可能であれば良いが、生産用でワンバッチ100kg程度を処理する乾燥機の場合でも、空調のバランスを崩してしまうので、外気を取り入れることが多い。
研究室において作られるサンプルは、空調のきいた部屋の空気を取り込んで乾燥しているので、おおむね絶対湿度は10g/kgDAである。冬場では特に晴れた寒い日などは3g/kgDA程度まで下がるが、夏場では22g/kgDAにもなる。(図4)夏場でワンパス運転した空気の状態を考えると、1m×1mに広げられた粉に0.5m/sで風が通過したとすれば、30m3/分(39kg/分)の風量となり、空調された空気に対して1分間で470gの水をスプレイした状態にしていることになる。1分間で牛乳瓶2本分以上の水が足された空気が粉を通過していると考えれば、乾燥状態が全く違ってくるのは、容易に想像出来る。
乾燥終了後、夏場の外気をそのまま取り入れて冷却すると、温度を上げて一旦乾燥させた製品にあらためて加湿操作していることと同じになってしまうので、湿度を一定に保つということが重要である。
→→→(乾燥機吸気用恒温恒湿装置)