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箱型乾燥機の除湿操作

①湿り空気

湿り空気は乾燥空気と水蒸気が混ざったものです。

②相対湿度

赤色の線は飽和水蒸気で、その温度で空気が取り込むことの出来る最大の水蒸気量を示しています。
青い線は相対湿度50%を示しています。
30℃40%、絶対湿度0.011kg/kgの空気が冷やされて6℃となった場合、15℃から水蒸気が水に変わって結露して6℃100%、絶対湿度が0.006g/kgになります。
この性質を利用すれば、空気中の水蒸気を追い出すことが出来るので、除湿が可能になります。
  • 温度が変化しても水蒸気量は変わらない

③外気の変化と除湿操作

低温で熱風乾燥を行う場合、給気の状態で到達水分が違います。特に夏場のジメジメした状態の空気は1kgの空気に20gもの水が含まれているために、それを取り除く必要があります。
大阪では8月の気温が連日30℃を超え、湿度80%以上に達する日が続きました。この条件ですと絶対湿度で21g/kgになります。露点温度は26℃で、それ以下の温度にすると水蒸気は飽和状態になり、水となって除湿されます。10℃まで冷却すると、8g/kgに下がります。
この空気の状態は、冬の冷たい雨が降るのと同等で、そのまま20℃まで温度上昇すれば、相対湿度で50%となり、非常に快適な空気となります。
逆に冬場の外気は、大阪でも氷点下5℃になることがありました。その場合2.5g/kgとなり、20℃の時には相対湿度で17%となり、過乾燥状態になります。そこで加湿装置で蒸気を吹き込み、8~10g/kg程度になるようにすれば、夏場に除湿した空気の状態になります。

④箱型乾燥機への応用

高温高湿時は外気から入った空気を除湿クーラで冷却し、露滴させて水分を取り除きます。その空気が乾燥機の中に入り循環している空気と混ざります。また、冬場の乾燥しすぎている外気の場合、蒸気を吹き込んで加湿することで、同条件の空気を作ることが出来ます。
箱型乾燥機の場合、乾燥トレイ通過時に粉の水分を受け取ることで、潜熱により温度が下がり、湿度が上昇します。その空気の一部が排気され、同量の除湿エアが取り込まれます。
下記の図は乾燥機のフロー図ですが、各部における空気の状態を右の表に示しました。

⑤乾燥機内の空気の変化

除湿を含めた空気による乾燥について説明します。
下の図は箱型乾燥機内の空気の状態の変化を模式化しました。

⑥吸排気量の計算

庫内の空気を全量循環させると、庫内の空気の湿度が上がり、水分を奪うキャパシティが無くなってしまうので、乾燥能力が維持できる量だけのフレッシュエアを取り込めば良いことになります。
フレッシュエアの量が少なければ、相対湿度が上がり、乾燥時間が長くなり、多ければその逆となります。
乾燥実験により時間とともに水分が減る量を記録し、最大乾燥速度を求め、乾燥機内の相対湿度が低く押さえられる程度の空気量に設定します。

吸気量、及び排気量をQf(kg/h)、循環空気量Qrとすると、熱風空気量Qhは
Qh=Qf+Qr・・・・・・・・・・・・・・・・・1式
図の④加湿空気はフレッシュ冷却後の②冷却除湿空気と⑨循環空気が混合したものですので、
④加湿空気の水分H(g/kg)は
H④加湿空気=(Qf×H①外気+Qr×H⑥粉体乾燥)÷Qh・・・・・・2式
乾燥後の水分H⑦高湿空気は熱風④加湿空気が粉体から蒸発した水分W(g/h)を受け取ったものです。
また、乾燥後の空気⑦高湿空気と⑧排気と⑨循環空気の湿度は同じですので、⑧排気の水分Hは
H⑦高湿空気=H④加湿空気+W/Qh=H⑧排気・・・・・・・・・・・・3式
必要とする空気量Qfは上記の式を整理して
Qf=W÷(H⑧排気ーH①外気)・・・・・・・・・・・・・・4式
となります。
すなわち、乾燥速度を湿度の差で割ったものが、最低必要空気量となります。
逆に表現すれば、乾燥速度は、湿度の差と、フレッシュエアの量に比例します。

蒸発水分量は乾燥実験を行い、乾燥曲線から容易に求められます。吸排気量を変えて乾燥実験することで、乾燥効率を計算し、実用的な運転条件を決定することが望ましいです。

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