長門電機工作所の技術情報

乾燥機技術文書

7.乾燥機の制御

7-1.標準的制御

乾燥機の制御対象はファンとヒータです。弊社の乾燥機の場合、起動釦を押すだけで自動的に時間がたつと停止します。ちょうど電子レンジのチンと同じです。また、ファンが回っているときだけヒータが入るようにしています。
乾燥温度を一定にするために、電子式デジタル温度調節器を使用しています。最近ではICの発達によりデジタルPID制御の温調器が安価に入手出来るようになりました。それが一般的でなかったころは、シビアな電熱の制御をするのにサイリスタを使用しておりましたが、現在では時間比例式の制御でマグネットスイッチのON OFFだけで出来るようになりました。スチームであっても、同じ様に電磁弁のON OFFをすることで精度良く温度が制御出来るようになりました。客先の指定により、サイリスタやSSC(ソリッドステートコンタクタ)、モーターバルブ、ポジショナ付のダイヤフラムバルブなどを使用することもありますがコスト面から考えると時間比例式オンオフ式を採用しています。。
操作スイッチは出来るだけ少なくして、操作がシンプルになるように照光式を使用しています。また、温度調節器、タイマなどの計器はデジタル式を使用して、正確な制御が出来るようにしています。

7-2.制御盤の操作スイッチ


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電源 電源が入ると点灯します。
温度異常 ヒータ温度が上限を超えると点灯します。

制御温度から設定された温度を逸脱すると点灯します。

過負荷 ファンのサーマルが作動したときに点灯します。
電流計 乾燥機の現在の電流を表示します。
制御温度 乾燥させる熱風の温度を調節します。
起動 ファンの起動ボタンで起動すると点灯します
停止 ファンが停止します。
ブザー停止 異常時のブザーを停止させます。
タイマ

切 入

タイマをセットするスイッチです。タイマでセットされた時間が経過した後に運転が終了します。
ヒータ

切 入

ヒータの入切スイッチです。このスイッチが入っていてもファンが停止している場合、ヒータは入りません。

7-3.制御オプションについて

7-3-1.過昇温制御

オプションではなく標準的に設置しています。
ヒータの下流すぐの位置に温度センサを設け、制御と別系統で温度を測定し、温度が上がりすぎることを防止しています。

7-3-2.排気温度計

排気口の温度を測定して表示、または機械停止をします。乾燥物の水分が下がると排気温度が上昇します。排気温度を見ると、乾燥途中なのか、終了しているのか判断することが出来ます。

7-3-3.送風タイマ

乾燥初期にヒータを入れずにファンだけ回します。
庫内の有機溶剤濃度を下げる目的で使用します。

7-3-4.ファン回転制御

モータの回転数を変えて風量を制御します。通常はインバータの周波数を変更します。
直結型のファンの場合、仕様の風量を得るのに必要となります。
特に飛散し易い粉などの乾燥に有効です。

7-3-5.風速計

循環風量、排気風量を測定することが出来ます。
熱線の温度差で風速の信号を出すセンサがあります。
ピトー管を取り付けその差圧により風速を計測し、変換器で電気信号に変えます。

7-3-6.隔測温度計

電気信号とは関係なく、乾燥機内の温度をバイメタル式または膨張式の温度計で表示します。

7-3-7.プログラム制御

最近ではプログラム調節器の価格が安くなったため乾燥温度を時間的に変化させたり、外部からの信号でプログラムの進行を待たせたり、プログラムの進行に合わせて外部に信号出したりということが出来るようになりました。
これを利用して乾燥工程と焼成工程を切り替えたり、ダンパのコントロールのための信号を出したり、品物の温度が設定値に達するまでその状態を保持したりというようなことが特別な回路を組まなくても可能になりました。

7-3-8.伝送出力

乾燥機内の温度や湿度などのアナログ情報を電流信号に変換し、関連する計器に信号を送ります。

7-3-9.シーケンサ、タッチパネル

シーケンサとタッチパネルを使用し、装置内のアナログ信号とデジタル信号をシーケンサに取り込んで、運転状態を完全にモニタ出来、自由な条件で制御することが出来ます。通常のリレーで行っていた制御のほかに、温湿度のプログラム制御やダンパの開度制御、インバータ制御、上位との通信、及びロギングファイルの作成など、電気信号になるものはすべて統合化して制御することが出来ます。
また、インターロックや手動操作、入出力信号状態など、装置の情報が得やすいため、メンテナンスが楽になります。
ただ、医薬品向けの場合コンピュータシステムバリデーションが必要になります。

7-3-10.温度記録

品質管理のために記録計を取り付ける場合も増えています。乾燥室内の各部に温度センサを取り付けて温度のばらつきを測定し、排気温度で乾燥具合を知るということもあります。また、ハイブリッド型の記録計を使用すれば温度センサ入力と同時に電圧や電流も任意のスパンで記録出来るため、設定温度、湿度信号、ダンパ開度、出力電流、オンオフ信号など電気に置き換えられる情報であれば何でも記録することが出来ます。
また、工場のFA化ということで乾燥機の状態を集中制御室でモニタすることも増えています。
温度や湿度などの情報をLANやシリアル信号の形でリアルタイムに送ることが可能です。

7-3-11.湿度センサ

耐熱湿度センサや、湿球温度変換機など高温の乾燥室や防爆条件でも制御可能なものを使用します。

7-3-12.除湿機

給気部分に冷却用熱交換器(クーラ)を取付けて、湿った空気を露滴させ、空気中の水分を取り除きます。

7-3-13.加湿機

クリーン蒸気吹込式、二流体ノズル、超音波発信式などで空気中に蒸気を吹き込みます。

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